じりじりと暑くなってきました。地球温暖化のせいなのか昔よりも最高気温が35℃を超える真夏日が以前よりも多くなっている気がします。
そんな時に世間を賑わすニュースが熱中症です。先日も小学1年生のお子さんが校外学習の後に熱中症で倒れて亡くなったり、校庭で人文字撮影をしていた小学生の児童が熱中症で病院に搬送されたり・・・。
うちの地域の公立の小中学校は教室にはほとんどエアコンは設置されていないのです。ちょっと心配になってきたので、熱中症について調べてみました。
熱中病とは一言で言いますが、症状によって病名に違いが
私が子どもの頃は学校でグラウンドの炎天下のもとで倒れたお友だちがいると
「先生、○○君が日射病で倒れました!」とか報告していたような気がします。
そう、熱中症よりは夏の太陽の熱でやられている感じが多かったので「日射病」と呼んでいたんですね。日射病は晴れている屋外での熱中症の呼び方だったんだろうなとは思いますが。
熱中症は、熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病などの症状の総称です。人間の体の中では体温を一定に保つため、いつでも熱が作られています。これが外気温の上昇や運動、水分不足などにより必要以上に熱がたまってしまい、自分の力で熱を下げられないときにおこる体の不調状態をさします。
・熱失神
運動したり暑い場所にいると体温が上がります。そうすると体の中の熱を逃がすために表面の血流がが一気に増えます。一時的に体の内部の血液が足りなくなり、めまいや立ちくらみ、意識を失うまどの症状を熱失神と呼びます。
・熱疲労
急に体温が上昇するときは汗をかくことで体の熱を外側に逃がします。汗で体内の水分がなくなると体は脱水症状をおこします。倦怠感や頭痛、嘔吐などの症状は熱疲労によるものです。
・熱けいれん
汗をかくときに体からは水分とともに塩分も出ていきます。熱けいれんとは体内の塩分が足りなくなり、手足がつる、筋肉のけいれんを起こした状態です。
熱中症で一番怖いのは、死に至ることがある熱射病
気温や運動による体温の上昇、それに伴い発汗による脱水症状や塩分不足などで、更に体温があがり、体温を調節する働きが追いつかなくなることがあります。
その場合、脳に影響が及び、倒れたり意識の障害をきたすことがあり、体にとって非常に危険な状態に陥ることがあります。
時には高熱から多機能不全をおこして死に至ることがある状態を「熱射病」と呼びます。
先に紹介した、熱失神、熱疲労、熱けいれんと順番に重くなっていくのではなく、熱射病の軽い症状からいきなり重篤な熱射病の状態になることがあるので、要注意です。
熱射病という状態にまでなりますと、意識を失っていて自分で水分もとれませんし、脱水状態になっているので、救急車を呼んで点滴を受けなければなりません。
軽い熱中症かなとか疑った場合でもどんどんひどくなる時がありますので、すぐに涼しいところに避難して水分補給など対策をして「熱射病」という状態にまで悪化させないのが大切です。
汗をかく機能が未熟なお子さんや、自律神経が衰えて暑さを感じにくくなっいる高齢者は特に注意が必要です。
熱中症と思ったらどんな応急処置をとれば良いか
体が熱中症と思われる症状が出た場合の応急処置のやり方は
その1
熱中症を疑う症状はあるか。
めまい、失神、筋肉痛、筋肉のけいれん、大量の発汗、頭痛、不快感、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、高体温など。
その2
意識があるか
・NO 意識がない場合は救急車を呼ぶ。(涼しい場所に移動、衣服をゆるめて体を冷やす。)
・YES 意識がある場合は涼しい場所に移動させ、衣服をゆるめできる範囲で体を冷やす。
その3
水分を自力で摂取できるか
・NO 医療機関を受診して点滴などの治療を受ける。
・YES 水分をとって涼しいところで休んで症状が改善するか確かめる。
最後に症状が改善されてきたら、そのまま安静にして十分な休養をとり、回復してから帰宅するようにしてください。
水分がとれても症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。その場合はそばにいた方が医療機関まで付き添って発症したときの詳しい症状を伝えるようにします。
まとめ
いろいろと熱中症の症状や対策を紹介しましたが、大事なのは
「暑いときはひとりで行動しないこと」というのが肝心です。
どこかで熱中症の症状がでた場合も誰かがそばにいれば緊急事態でも応急処置をしてもらえます。
暑さを感じにくい高齢者で一人暮らしの方も、エアコンはしっかり使い、水分をとって熱中症にならないようにしてください。
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